とろけるようなおいしさから大勢のファンがいる木曽のブランド牛「銘撰(めいせん)木曽牛」。その約90%を生産している牧場が、親子で経営のバトンをつないだ木祖村の黒内牧場です。繁殖用の牛も飼育し、人工授精で生まれた子牛(黒毛和牛)を日々愛情を注いで肥育。あふれる自然の中、牛たちはのびのびと元気に育っています。
> しごと > 黒内牧場
とろけるようなおいしさから大勢のファンがいる木曽のブランド牛「銘撰(めいせん)木曽牛」。その約90%を生産している牧場が、親子で経営のバトンをつないだ木祖村の黒内牧場です。繁殖用の牛も飼育し、人工授精で生まれた子牛(黒毛和牛)を日々愛情を注いで肥育。あふれる自然の中、牛たちはのびのびと元気に育っています。
代表 黒内 拓美さん |
出身 | 木祖村 |
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子牛は自分の所で繁殖するのが約半分、それと自家繁殖和牛から採卵した受精卵を南信酪農協同組合(松本市)で乳牛に移植してもらい、産まれた子牛を生後1~2週間で導入しています。2021年5月現在で肥育用和牛が110頭、繁殖用和牛は28頭います。
肥育用和牛の育成期には乾草などに加えて、ビールかすや大豆かす、トウモロコシを交ぜて1カ月寝かせた発酵肥料を、肥育期にはたっぷりの県内産わらを与えています。
牛舎はゆったりできるスペースを確保して、床には地元の製材所から出たおがくずを敷いています。おがくずは1カ月単位で取り替え、使い終わったものは木祖村特産「御嶽はくさい」の堆肥に活用してもらっています。
多くの和牛の肥育牧場は、生後8~10カ月の子牛を市場から購入しています。それだと、牛舎や飼料に慣れるまで1~2カ月かかってしまします。また、それ以前に牛舎までの移動も大変です。その点、うちの牛たちは、そうしたストレスとは無縁で育てることができるのが大きな強み。出荷までにかかる期間も27~28カ月と比較的短くできます。
長野県農業大学校(長野市)で畜産を学んで、卒業後には南信酪農協同組合で技術員として働き、乳牛の人工授精による繁殖などに携わりました。この牧場の経営を父から受け継いだのは49歳の時です。
たくさんのおいしい食べ物を育んでくれる豊穣(ほうじょう)な風土かな。空気や水までもおいしくて、うちの牛たちも大好物のようです。
国内の畜産業界は大規模経営化が進んでいます。私たちのような小規模の牧場は向かい風に立たされていますが、自分の所での繁殖から肥育、出荷までの一貫生産体制を今以上充実させて、よりおいしい牛肉を多くの皆さんに提供していきたいと思っています。
就職1年 |
出身 山口県 |
在住 木祖村 |
畜産について学んだ長野県農業大学校の畜産農家研修で受け入れてもらったことがきっかけです。研修後も週末や夏休みにアルバイトをさせてもらっていました。そうした時、とても楽しく働けたので、黒内さんに「卒業後はここに就職させてください」とお願いしたんです。
毎日、牛のお世話をしています。500㎏以上もある牛を引いたり、一度に20㎏以上の餌を運んだりするので最初の頃は体力的にきつかったです(笑)。今は慣れて少し余裕が出てきたので、牛をかわいがりながらお世話をすることができています。特に子牛にミルクをあげている時は、とってもかわいくて癒されます。
あんまり考えすぎなくても大丈夫だと思いますよ。そこでやりたいことがあったら、思い切って移り住んでみては?合っていないと思ったら、戻ればいいんです。私の場合、仕事は大変ですが、やりたいことができて毎日が楽しいです。1歩前へ踏み出して、木曽に移り住んで良かったです。