地域に馴染んだ古民家を改修しながら暮らす
移住を決めたきっかけは何ですか?
以前から生まれ育った東京を離れて、どこかに移住したいと思っていました。そんな中、御嶽山登山に毎年必ず訪れるようになり、その帰りに立ち寄った開田高原を知ったことで、こんな所で暮らしたいと思い続けていました。なかなか決断することができませんでしたが、50歳を区切りに夫婦で移住しました。
どんなお仕事をしていますか?
木曽町地域おこし協力隊として、主に開田高原にある「おんたけウェルネスラボ」のスタッフとして、自然を生かした心と身体を元気にするウェルネスツーリズムや、アクティビティ、イベントなどに携わっています。広大なフィールドで働くことができて、移住した甲斐があります
どんなところに住んでますか?
この地域で庄屋であり、大馬主でもあった「山下家(長野県宝)」の分家である「山下しんや(屋号)」を購入させていただきました。20数年間空き家となっていましたが、移住して地域に根差していくには、新たに新築することをせず(予算的にも無理だったですが…)この地域に馴染んだ昔ながらのお家が良いと妻に言われ、まさにそのとおりで、「寺内」という名前より、「しんや」という名前だけでこの地域では話が通じることに驚きました
移住して良かったことは?
“人”です!昔から住まわれている方のなんと親切で温かいことか。
都会から来たわけのわからないオッサンと思われても当然!と覚悟して移住しましたが、実際移住してみると私の住む地域の方々から、「よく来てくれたね。嬉しいよ。」と言われ、「野菜が出来たから食べな」「魚をもらったから食べな、さばけるかい」と色々なものを頂いたり、薪ストーブを設置したら、「乾燥した薪はないだろいうから」とたくさんの薪が家の前に置いてあったり。。。さらには、コロナの影響で給湯器等が手に入らず、家のライフラインが稼働していない中での移住でしたが、お隣の旅館の女将さんから、「しばらく家に泊まっていいわよ」と言われお風呂や食事まで、本当にお世話になっちゃいました。
また、見事な迫力の御嶽山を毎日眺めながら、寒い冬が開けて春の匂いを感じることがこんなにも嬉しいものかと実感しています
休日の過ごし方は?
基本は、普段仕事に行っているときに出来ない買い物や行政手続き等をこなしていますが、季節によって過ごし方を変えています。
春は、家庭農園の準備、薪用の木の伐木等。夏は、畑作業や御嶽山登山、趣味のトライアスロン大会出場。秋は冬に向けた準備。冬は家に籠る!
されど、最も休みの時間に使うのは、家の改修(DIY)です。明治時代の古民家で改修する箇所はキリがありませんので、日々どこかを改修したくなる気持ちを抑えないと他が疎かになってしまいますので、自制心が必要です。。
今後の目標・やってみたいこと
この地域の資源を活かしたものに携わっていけたらと思います。山があるので登山の案内とか、木の町でもありますが支障木も多くあるのでその伐木とか、空き家を増やさないようリノベーションして活かすことなど、この地域に恩返しができたらと思います
移住検討中の方へのアドバイス
移住希望者の方がよく聞くんじゃないかと思いますが、「なぜ移住するのか明確な目標をしっかり考えておかないと失敗する」という言葉です。しかし、私はまったくそう思いません。実際私は、この地に移住を決めた明確な目標はなく、「なんとなくいいな」という感覚でした。確かに、どこでもいいから移住して好きなことをして自由にやるぞ!というのではなかなかうまくいかないでしょうけど、無理に明確な目標を定めるために時間を置いたりするより、「えいやっ」と移住してしまった方が良いです。大切なのは、移住後にどういう気持ちで生活していくかだと思います。狭くて人の少ない地域ですから、地域から孤立しての生活は成り立ちません。皆で助け合ったり協力することが重要です。つまり地域に溶け込むことです。考えてみてください、自分の生まれ育った地域に移住者が来たらどう感じますか?「どんな人だろう?」と不安に思ったり、「同じ地域の仲間としてうまくやっていってくれるだろうか」とか思いませんか?
ですので、私は、後から来たよそ者として、そこに昔から住む方々へ敬意をもって接すべきだと思い、常にその気持ちを持って地域の方々と接しています。頼るところは頼り、その分協力できることはやる。そうしていれば必ず地域の方々は見てくれていて、色々と助けてくれます。
心配御無用!移住したいというその気持ちを尊重して行動しましょう!人生はそう思ったとき、感じたときがチャンスですよ~。