大桑村には、私が好きだった昔のままの自然や人の温かさが残っています。

中振田 勇さん
福岡県・大桑村
職業 冬は福岡県で過ごし 夏は大桑村で農業をしている
春から初冬までは大桑で農業をし 冬の間は九州で過ごしています
大桑村は私の生まれ故郷です。就職のために18歳で村を離れ、営業職として全国を転々とし
ていましたが、子どもの進学のタイミングで妻の実家が近い福岡県に自宅を構えました。63歳で退職した後、12月末~2月末は九州で過ごし、それ以外は大桑村で農業をする生活を続けています。大桑に戻ったきっかけは母の介護のため。その際、実家の農地があったので、何か作ってみようと農業を始めました。
作物の生育は毎年同じようで全く違う 日々の変化を感じながら取り組んでいます
大桑村での暮らしは毎年竹藪の掃除から始まります。早ければ3月中旬にはタケノコが採れるので、それを直売所に出荷し、その後はお盆の時期に出荷する小菊の苗起こしや植え付け、夏野菜の栽培を行います。作物の生育は環境に左右されるので、毎年必ずうまくいくわけではありません。難しいですが、そこが魅力でもあります。自然と付き合いながら、ここで暮らしていると、四季の変化をとても間近に感じます。そうした大桑村での日常が、私は好きです。
農業の楽しさを伝え、農に携わる人を増やしたい
高齢化に伴い、大桑村では畑ができなくなる農家が増えています。そこで、農業の面白さを知ってもらおうと、昨年、村の商工会青年部とタイアップして、親子向けの畑教室を開催しました。子どもはもちろん、大人の皆さんにも楽しんでもらえたようです。こうした取り組みを通して、大桑村で農に携わる人を一人でも増やしていけたらいいですね。私個人としては、今年で75歳になります。今後も農業を続けるために、体力づくりもしてきたいです。